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2021.07.26 121「遊技障害のおそれのある人」と臨床例等との乖離と予防について、その⑥

前回のコラムの続きです。

「やめられなくなる脳の仕組み」での報酬系の仕組みは「やる気」の仕組みでもあります。
仕事、学習、リハビリ等で報酬系の働きなくしては、その継続もパフォーマンスの向上も困難です
(Sawada M, et al, 2015)。

そして、仕事、学習、リハビリ等での重要な課題は、初期のやる気(報酬系の予測的活動)が
「慣れ」によって逓減してしまうのをいかに抑えるかです。
遊技による報酬系(ドーパミン神経系)の活動の繰り返しが「遊技障害のおそれ」に直結するかのような
説明は、行動嗜癖に関連する脳の仕組みの、あまり主要ではない部分を説明しているに過ぎないのかも
しれません。この仕組みを加速する個体側の要因が欠落しているのかもしれません。

それは、たとえば、ADHD傾向などの発達問題であったり、不安の強さや衝動性の強さなどの神経症傾向
であったり、非協調性であったり、認知の歪みであったり、両価性であったり、ギャンブリング障害の
遺伝要因が50%程度であることを考慮すると(Slutske, et. al., 2010)、少なくとも単純な快感条件付けに、
個体要因の影響を加えないと行動嗜癖の説明モデルにはなりえないのではないでしょうか。

もし、そうならば、いかに高リスク群を特定し、高リスク群に健全遊技の必要性を伝えるメッセージを
届けるか、その仕組みの構築が重要です。

公立諏訪東京理科大学 篠原菊紀教授


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