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コラム

2021.06.22 120「遊技障害のおそれのある人」と臨床例等との乖離と予防について、その⑤

前回のコラムの続きです。

遊技による報酬系(ドーパミン神経系)の活動の繰り返し、つまりは「楽しさ」の繰り返しが
依存(行動嗜癖)に直結するとすれば、「自由に遊べる時間で遊びましょう」などと言うメッセージは、
いずれは依存(行動嗜癖・遊技障害)に結びつくプロセスを先延ばしするだけの欺瞞になります。

果たしてそうでしょうか。私たちの調査(債務整理体験論文)では、遊技の開始や継続にかかわる要因と、
プレイヤーに遊技障害のおそれが生じる要因は相対的に独立です。

たとえば、諸外国の研究でギャンブリング障害の要因としてしばしば指摘される「男であること」
「若いこと」「学歴が低いこと」は、遊技障害をもたらすことにかかわる要因ではなく、
男であることは遊技への参加要因であり、若いことや学歴が低いことは遊技の継続要因でありました。

つまり遊技の継続に寄与する要因が、遊技障害のおそれを誘発する要因と一致するとは限らず、
遊技の継続に報酬系の活動が重要な役割を果たすにしても、そのことが遊技障害のおそれに
直結するとはかぎりません。「楽しさ」が遊技の継続に寄与するとしても、遊技障害のおそれに
必ずしも直結するわけではありません。

したがって、「自由に遊べる時間で遊びましょう」というメッセージは有効でありうるし、実際、
そうしている健全なプレイヤーが圧倒的です。
遊技障害のおそれをグループ分けしたパスウェイモデルを見ても、ただ単にギャンブリングの快感を
追い求めることで遊技障害のおそれとなる群(単純な快感条件付け群)は比較的リスクが低いです
(subtype論文)。

公立諏訪東京理科大学 篠原菊紀教授


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