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2021.02.19 116「遊技障害のおそれのある人」と臨床例等との乖離と予防について、その①

今回のコラムから数回に分けて、われわれの全国調査で明らかとなった「遊技障害のおそれのある人々」
の実態と、一般の方々や業界人が抱くであろう、「パチンコ・パチスロによるギャンブル等依存症を経験
している人々」のイメージの乖離について紹介します。

それに加えて、全国調査で明らかになるレベルでの「遊技障害のおそれ」を予防するにあたっては、
「自由に遊べる時間で遊びましょう」といった健全遊技の推進が重要であることも紹介します。

さて、一般の方々や業界人が抱く、「パチンコ・パチスロによるギャンブル等依存症の人々」のイメージは、
「やめたくてもやめることができない」「繰り返し借金をする」「その累積は数百万にもなる」など、
マスコミ等での紹介がそうであったように、この統計や事例に近いものと考えられます。

もし、このイメージに近しい人々が、久里浜医療センター調査でいえば0.8%(文部科学省, 2019)、
われわれの全国調査では40万人(全国調査遊技状況論文)いるのだとすると、これは由々しき事態であり、
ギャンブル等依存症対策推進基本計画の順守はもちろん、さらに強力な遊技障害対策が必須であると考えられます。

しかし、実態はどうやら違うようです。
久里浜医療センターを受診した人の借金総額の中央値は400万円、初診時借金中央値は62.5万円ですが、
われわれの全国調査では、「遊技障害のおそれのある人」で借金が300万を超えた人は0人(約1.9万人以下と推定)、
借金中央値は10万円以下であり、久里浜医療センターでのデータと大きく乖離していました(篠原菊紀, 櫻井哲朗,
西村直之,河本泰信, 秋山久美子, 堀内由樹子, 坂元章, 祥雲暁代, 佐藤拓, 石田仁, 牧野暢男 (2020).
「パチンコ・パチスロ全国調査データを用いた遊技場でのギャンブル障害予防対策の検討」
『アディクションと家族』35(2), pp. 135-143.)。

市中データと来院データが異なることは医療情報では常識であり、ここで追認されたわけです。

公立諏訪東京理科大学 篠原菊紀教授


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