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2020.11.17 113「絆(きずな)はまあまあ恐ろしい」

絆といえばオキシトシンです。オキシトシンは信頼や愛着の形成にかかわる脳内ホルモンと
考えられています。

これを鼻腔投与することで、投資ゲーム中では相手を信頼して投資額が増え、寄付ゲームでは
相手に対する同情が高まり相手への施し額が増えます。

また、顔表情判断では恐怖や不安に強くかかわる扁桃体の反応が低下し、恐怖心が減り、
相手の目を見つめる時間が長くなり、「目による表情読み課題」や心の理論課題での成績が
よくなります。

さらに、夫婦間のもめごと状況では、会話での好ましい文言や反応が増えたり、親子間の愛着が
強まったりもします。そして、自閉スペクトラム症では会話の増加が認められたり、
相手の感情理解が改善したりすることが報告され、臨床試験が行われています。

一方で、パートナーのいる男性にオキシトシンを鼻腔投与したところ、魅力的な見知らぬ女性が
近づいてきても、距離をとりたがる、遠ざかる傾向が強まったそうで、パートナー間の絆を強め、
浮気防止ができる素晴らしいホルモンともいえますが、他者を排除する力を持つホルモンでも
あるわけです。

たとえば、ゲームの中のお金の分配に対して、相手に対する嫉妬が増加したり、相手への負の
感情を強めたりすることも報告されています。

結論として、オキシトシンは愛や絆を強める素晴らしい働きをしますが、それは同時に仲間以外の
他者を排除する役割を果たすのです。「絆」はまあまあ恐ろしいわけです。

公立諏訪東京理科大学 篠原菊紀教授


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