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2020.08.18 110「運動後の血漿(他人のものでもいいらしい)が脳を若返らせる」

運動が健康に有益な効果をもたらすことはよく知られています。
ホロウィッツ氏らは、脳の神経発生に対する運動の有益な効果と老化したマウスの認識力の改善が、
ある運動をしたマウスから別のマウスに血漿(その細胞成分のない血液)を移行させることで、
効果の受け渡しが可能かどうかを調べました。

その結果、運動した若いまたは老齢マウスから血漿を受けた老齢マウスは、トレッドミルをつかわなくても、
脳に有益な効果が得られたそうです。
肝臓由来のGPI分解酵素であるグリコシルホスファチジルイノシトール(GPI)特異的ホスホリパーゼD1(Gpld1)
の血漿中濃度は、運動後に増加します。

そしてこの濃度増が高齢マウスの認知機能の改善と相関し、血液中のGpld1濃度が増加したアクティブで
健康な高齢者や高齢マウスにおけるGpld1の全身濃度の増加は、GPIアンカー型基質開裂の下流のシグナル
伝達カスケードを変更し、加齢に関連した細胞再生阻害および認知障害を改善しました。

また、この血漿の輸血で同様の効果が実現したのです。Gpld1が高齢者の運動の利点を、肝臓から脳へと
伝達できるようです。

かつて若者の血液の輸血で脳や体が若返ることや、GDF11の関与が報告されましたが、
他に関与も多いのかもしれません。

Blood factors transfer beneficial effects of exercise on neurogenesis and cognition to the aged brain.
Horowitz AM, Fan X, Bieri G, Smith LK, Sanchez-Diaz CI, Schroer AB, Gontier G, Casaletto KB,
Kramer JH, Williams KE, Villeda SA.
Science. 2020 Jul 10;369(6500):167-173. doi: 10.1126/science.aaw2622.
PMID: 32646997

公立諏訪東京理科大学 篠原菊紀教授


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