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2020.04.22 106「高齢者の自発的運動は筋肉幹細胞の活性を回復させる?」

一昔前は、年寄りの冷や水などと言われ、高齢者に運動をさせるなんて骨でも折れたらどうする、などと
言われたことがありました。
しかし、運動は骨に刺激を与えかえって骨を強くし、認知機能の低下予防または改善に役立つことも示されています。

歳をとると、筋肉量は減少し、筋肉の再生能力と修復能力は低下します。
この能力低下には、筋肉幹細胞の数の減少と加齢に伴う筋肉の再生能力の減退の両方が関わっていると考えられてきました。
これまでの研究で、運動で筋肉量が維持できることが分かっていますが、運動が筋肉の再生能力の維持に及ぼす影響は
よくわかっていません。

そこで、Thomas Rando氏らは、若いマウスと老齢のマウスに、自由に回転する回し車を与えて、3週間自発的に使わせる
実験をしました。
すると、老齢のマウスほど、筋肉の修復が加速、筋肉幹細胞の機能が改善しました。
このプロセスは休眠状態の幹細胞のサイクリンD1(細胞周期の進行に必要なタンパク質)レベルが、若いときのレベルに
回復することによります。
サイクリンD1は、老化を促進するTGF-β–Smad3情報伝達経路を抑制し、筋肉幹細胞の再生を促進します。
この変化は、若いマウスでは老齢マウスほどはっきりしません。

ヒトでも同様だとすれば、高齢者の自発運動が筋肉量を増加させるだけでなく、その回復も促すことになります。

Exercise rejuvenates quiescent skeletal muscle stem cells in old mice through restoration of Cyclin
D1Jamie O. Brett, Marina Arjona, Mika Ikeda, Marco Quarta, Antoine de Morrée, Ingrid M. Egner, Luiz A.
Perandini, Heather D. Ishak, Armon Goshayeshi, Daniel I. Benjamin, Pieter Both, Cristina Rodríguez-Mateo,
Michael J. Betley, Tony Wyss-Coray & Thomas A. Rando
Nature Metabolism volume 2, pages307–317(2020)

https://higeoyaji.at.webry.info/202004/article_6.html

公立諏訪東京理科大学 篠原菊紀教授


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