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2019.12.17 103「腸内細菌が脳に影響するメカニズムの一端が明らかに」

哺乳動物では微生物相の組成変化が発生や代謝、免疫細胞機能などに影響を与えることや、
複数の疾患への抵抗性やかかりやすさと関連することが知られています。
また社会的活動やストレス、不安関連反応などの調整にもかかわることが知られています。
しかし、そのメカニズムは明らかではありません。

そこで、下記の研究では、微生物相をなくしたり減らしたりすることで、恐怖条件付けの消去が
どのように変わるか、またそのメカニズムの一端を明らかにしました。
ある特定の音とフットショックの恐怖条件付けを行うと、ネズミはその音ですくみ反応を起こしますが、
トリガーとなる音への暴露を減らすと、すくみ反応は消失していきます。
しかし、無菌マウス、あるいは抗生物質で微生物相を減らした処置をした場合は、
この消失が起こらなかったそうです。

このとき、内側前頭前野の興奮性ニューロン、グリアおよび他の細胞型における遺伝子発現の有意な変化
が認められ、シナプス後樹状突起棘の学習関連リモデリングの欠陥と関連し、内側前頭前野のキューを
コードするニューロンの活性を低下させたそうです。また、無菌マウスで減る代謝産物が四つ同定され、
これはヒトおよびマウスモデルの神経精神障害に関連することが報告されている代謝物だったそうです。

このメカニズムの理解は、食事、感染、ライフスタイルが脳の健康や神経精神障害に対する感受性に
どのように影響するかを理解する上で意味があるとのことです。

The microbiota regulate neuronal function and fear extinction learning.
Chu C, Murdock MH, Jing D, Won TH, Chung H, Kressel AM, Tsaava T, Addorisio ME, Putzel GG, Zhou L,
Bessman NJ, Yang R, Moriyama S, Parkhurst CN, Li A, Meyer HC, Teng F, Chavan SS, Tracey KJ, Regev A,
Schroeder FC, Lee FS, Liston C, Artis D.
Nature. 2019 Oct;574(7779):543-548.

公立諏訪東京理科大学 篠原菊紀教授


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